久しぶりのブログアップです。
前回ブログにアップした軽井沢滞在中に軽井沢安東美術館に行ってきました。
軽井沢安東美術館は2022年10月にオープンした藤田嗣治の作品のみを収蔵・展示する美術館です。美術館を創設された安東ご夫妻の長年にわたるコレクションが展示されています。
展覧会「藤田嗣治 猫のいる風景-かたわらの動物たち-」が開催されていました。
愛猫家だった藤田の描く猫たちの豊かな表情やしぐさが生き生きとしていて可愛かったです。私が一番気に入ったのは、擬人化された猫たちの作品、漫画に通じるユーモアがあって、お洒落で、細部まで丁寧に描かれ、様々な発見があるのでずーっと見ていても飽きない絵でした。
藤田嗣治は、東京美術学校(現在の東京藝術大学)を卒業後、1913年にフランスに渡り、線画を生かした表現や「乳白色の下地」で独特の画風を確立し1920年代のヨーロッパ画壇を席巻、時代の寵児となりました。エコール・ド・パリの日本人画家として有名です。
1931年には南米、中米などを旅し個展開催や作品制作を続けますが、その後第二次世界大戦が勃発。日本に帰国し、日本で戦争画を手掛けたことが藤田のその後の人生に影響を及ぼします。1949年に日本を去りNY経由でフランスに渡り、その後フランス国籍を取得、レオナール・フジタとして晩年を生き日本に戻ることはありませんでした。
安東美術館では藤田の生涯の歩みを理解できるように展示が展開されていました。
3点以上の作品を同時にフレーム内に入れ展示風景としての撮影なら可能ということでしたので、美術館内部も撮影させていただきました。
戦争と平和、成功と苦難を経験した藤田は晩年カソリック教徒として受洗し、最後の大仕事となる礼拝堂をランスに建設します。晩年にフジタが描いた聖母子像が礼拝堂をイメージさせる空間に厳かに展示されていました。
藤田がフランスで時代の寵児となっていた1920年代は『チ・カ・ラ』の時代設定と重なりますので、『チ・カ・ラ』を作る上で常に藤田の作品や生涯は私の頭の片隅にありました。達道がフランスに渡って藤田とパリの街ですれ違っていたりしたら面白いなぁとか、勝手に想像したり、達道はこの時代のパリを知っている人なのだということを意識しながら描きました。その藤田だけの作品を展示した美術館に行くことができて嬉しかったです。
絵を鑑賞後、美術館内にあるHARIO CAFEのテラス席で昼食。
とても居心地の良い素敵な美術館ですので、軽井沢に行かれたら皆様も是非!