久しぶりに、「#近代建築 in 『チ・カ・ラ』」の投稿です。
今回は、日本橋と並んで『チ・カ・ラ』の舞台となっている銀座煉瓦街をピックアップ。
銀座煉瓦街は文明開化の象徴として、錦絵などに登場するハイカラな洋風建物で有名ですが、ご存じの通り、明治維新後の欧化政策の一環として建てられたもので、お雇い外国人の土木技術者ウォートルスが設計しました。
煉瓦造り(外壁は漆喰の白塗りが大多数)の建物は当時の人々には珍しく、見物客で賑わったようですが、庶民の住居としては人気が無く入居者が集まらない状況でした。そんな中、印刷機を使用する「新聞社」の社屋としては需要があり、銀座は一時、多くの新聞社が軒を連ねる新聞社街となりました。
『チ・カ・ラ』の舞台となった大正時代の銀座煉瓦街は、2階バルコニー部分を増築したり、和風の軒が継ぎ足されたり、創建当時のままではなく、和洋折衷の見た目になっていた建物も多くあったようです。
『チ・カ・ラ』のコミックス1巻で達道も説明していますが、銀座煉瓦街の建設は、明治5年に起きた大火の後、銀座を「不燃都市」として蘇らせる「都市計画」でもあったようです。しかしながら、大正12年に起きた関東大震災で倒壊、延焼し、銀座から姿を消します。
『チ・カ・ラ』は、只今、デジタルマーガレットにて連載中です(こちらからお読みいただけます)。デジタルコミックスも1巻から7巻まで発売中ですので、よろしくお願いいたします。