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平凡な一日。
ありふれた公園の夕暮れ。

犬と散歩する御婦人。ジョギングする紳士。
ベンチでまったりの御老人。帰り道を急ぐ子供。
夕焼け空を見に来た私。

カルガモの赤ちゃん。
夕日で金色に光る緑。

先週、つかこうへいさんが亡くなられたという
ニュースを思い出しながら、日暮れの公園を歩いた。

差別のない社会を願って、『いつか公平に』というを願い込めて
ペンネームを「つかこうへい」にしたとニュースで報じていた。

お亡くなりになって、初めて知った。

つかさんはご自身の体験から
『人間は差別をする生き物だ』と何かの著書で語られていて、
遺骨は日本と韓国の間の対馬海峡に散骨してほしいと
遺言に書かれていたそう。

つかこうへいさんの作品は、
映画になった「蒲田行進曲」を観たのと、
本を数冊読んだぐらいでよくは知らない。

どんな作家さんだったのかもよく分からないのだけれど、
なぜか色々考えた。

人は横の繋がりだけでは生きていけない。
いや、生きていけない人がほとんどで、
たいていの人が横だけでなく、縦の繋がりの中でも生きている。

縦‐横。
四方八方を見渡して、自分の立ち位置を確認する。

どんなに平和主義の人でも、

「できれば、人より優位に立ちたい。
たまには優越感も感じたい。」
少しはそう思う。

多分、生き抜いていく為のそれは当たり前の本能。

でも、一つ間違えると、とてつもない過ちを犯してしまう本能。

そういう本能を人は誰しも生まれながらにもっている・・・。
と、私は感じている。

みんなが公平に生きる社会を望みながら、
時には、違う本能を自分の中にも見つけたりしてしまう。

でも、

人間は、・・・・いや、「自分」はそういう生き物だと、
ちゃんと知ることから、始まる何かがあると信じて、
未来を励ましたりしてみる。

「いつか公平に」

平凡な夕暮れ。

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