久しぶりに「近代建築 in『チ・カ・ラ』」の更新です。『チ・カ・ラ—天空の雪—』第18話で、千華羅が関東大震災後の取材に奔走しているシーンで出てきたこの建物は「東京駅警備巡査派出所」です。当時、東京駅、丸の内側広場の中央にありました。震災後は本当に「尋ね人」等の張り紙で壁が埋め尽くされたそうです。

警視庁の設計で東京駅と同時期に竣工したと伝えられているそうですが、平面が隅切り八角形だったり、正面の半円のペディメントや化粧煉瓦の色とデザイン等、大正3年に辰野金吾の設計で竣工した東京駅舎の意匠との調和がとられていることがうかがえます。当時の版画や写真にも残っており確認することができますが、実物が博物館明治村に移設されていますので、明治村を訪れた方は是非ご覧になってください。