『チ・カ・ラ』に登場する近代建築を紹介するこのシリーズですが、今回は番外編、関東大震災後のバラック建築についてご紹介します。

震災後はバラック建築が東京の街に現れますが、期間限定のバラック建築だからこその個性的な建築がたくさん現れました。

そのなかで『チ・カ・ラ』に登場した、この銀座のバラックは「CAFE KIRIN」です。

今和次郎さんが震災後、銀座で興した「バラック装飾社」が外壁の装飾を手掛けたもので、実在したお店の写真をもとに描きました。

『チ・カ・ラ』の中では、「芸術家たちが、殺風景なバラックの外壁に派手な絵を描いて街を元気づける」というエピソードが登場しますが、今和次郎さんらの活動をもとに創作しています。

アートを震災復興のチカラにしようという活動は、阪神淡路大震災の時も、東日本大震災の時にも見られましたが、この関東大震災の時の先例に学んだものなのか、あるいは、そういう時、自然にアーテイストの中で発生する想いなのか…。

阪神淡路大震災は先日29年を迎えましたし、関東大震災からは昨年100年を迎えました。地震大国の日本で繰り返される災害に心が痛みますし、怖くなったりもしますが、どの時代も復興の為に動いた人々がいることに、勇気づけられています。