バルビゾンの「武蔵野」の森

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風が日に日に冷たくなってきましたが、
木々が美しく色付いてきています。

府中市美術館の
「バルビゾンからの贈りもの」展に行って来ました。

バルビゾンというのは
フォンテーヌブローの森の中にある村の名前です。
主にそこで自然をテーマに描いた
画家達のことをバルビゾン派といいます。

今から150年〜200年程前の当時、
風景画は新しいジャンルだったようです。

ルソーやミレーの絵がありました。

展覧会ではフランスのバルビゾン派に学んで、
自然を描いた日本の風景画家たちの絵も数多く展示されていました。

彼らは、武蔵野の地にバルビゾンの面影を感じ、
風景を描き留めたそう。

100年前に、バルビゾンと武蔵野が
絵画で繋がっていたなんて、
知らなかった!

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バルビゾン派に学んだ、
日本人画家によって描き出された
武蔵野の風景は驚きの連続でした。

今なら姉妹都市になるんじゃないかと思うぐらい、
バルビゾンと武蔵野の村の景色が重なっていて・・・。

「なぜ、バルビゾンに着物姿の人が?
あ、違う、これは武蔵野の森だ・・・」と
確認しながら絵を見ました。

武蔵野の森って、昔は本当に豊かな森だったんだな・・・。
フォンテーヌブローの森にも負けない大自然。

美しい・・・。

年々、道路や宅地に変わって、
消えていく緑を見続けていると、
東京に武蔵野の森があったことすら忘れてしまいそうですが・・・。

美術館を出ると、色づいた桜の木。

100年後にもこの木は残さなきゃと、強く思って帰りました。
まだ、武蔵野の森の面影が残っているうちに。
跡形も無く消え去って、
過ぎ去った風景になってしまわないように。

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ウルトラコスモス。

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ちょっと読書に夢中になっていたら、
あっという間に、前回のブログをつけてから
11日もたってしまっていました。

10月に入ってから寒くなって、
ちょっと出不精になっていますが、
読書の秋と食欲の秋を満喫しています。

写真はまだ、暖かかった頃に行った、
国立天文台 三鷹の
「第一赤道儀室」
1921年建設。
現在は国登録有形文化財です。

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1939年から60年間スケッチや写真儀による
太陽の観測や撮影が行われていたそう。

なんだか、ちょっとウルトラ基地っぽくて
私の世代はワクワクするかも(笑)。

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こちらは「大赤道儀室」
1926年建設。
現在は「天文台歴史館」になっていて、
明治時代の天体望遠鏡などがあります。

建設当時はこの巨大な半球ドームを作る技術が
建築業者になくて造船技師の力を借りたとか。
ディテールの意匠もしっかりみていくと
装飾がほどこされていたりして、なかなかです。

他に、通称アインシュタイン塔、ゴーチェ子午環、
レプソルド子午儀室、
スクラッチタイルが素敵な旧図書庫など、
みどころたっぷりの建造物が・・・。

宇宙を身近に感じながらのお散歩でした。

デジタルカメラを忘れていって、
ケータイのカメラで撮影したので、
画像がいまいちですが・・・。
久しぶりにブログにアップ。

そして、こちらもついでにアップ・・・。


ポカポカ・スケッチ

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体育の日、東京は初夏の陽気でしたね。

三連休だし、すごい人込みだろうから、
出かけるつもりはなかったのですが・・・。

太陽に誘われて、突如、お弁当を持って、スケッチへ。

体育の日と全く関係ないイベントですが(笑)、
水彩画なら柔らかな筆なので、手に負担をかけずに描けそうだし、
お気に入りの Winsor & Newton の透明水彩をもって、お出かけ!

建物を見て回っていると、写真を撮るだけでは物足りなくって、
やっぱり描きたくなってしまう。

「国分寺教会」は1951年築、
設計は建築家の池辺陽氏。

シンプルな木造の外観と
小さいけれど、豊かな緑と
手入れの行き届いたお庭が素敵な、
私の大好きな建物の一つです。
素朴で暖かい感じ。

国分寺の丘の上にあります。

戦後まもなくの建築。

当時はこの辺りに高い建物はきっとなかっただろうな。

もしかしたら、
ここも昔はモンマルトルの丘の上のサクレ・クール寺院のように
遠くからも見えたのかな?

明治時代のニコライ堂と同じように。

お庭で、静かに、のんびり、スケッチさせてもらいました。
「10月24日バザー」のポスターが出ていました。

次は、横浜の「海岸教会」をスケッチしようかな。
いや・・・、
でも、あそこは、人通りが多いから、
ちょっと勇気がいりそうだな・・・。

長崎の五島列島の教会も
いつかスケッチしに行きたいな。

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可愛い花々がお庭に沢山咲いていました。


「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール」

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世田谷美術館に行って来ました。
スイスのヴィンタートゥール美術館のコレクション展。

ゴッホ、モネ、ルノワール、ピカソ等、
お馴染みの画家達の作品が公開されていましたが、
なんと、出品作品90点全てが日本初公開!
いそいそと出かけてきました。

ゴッホの「郵便配達人 ジョゼフ・ルーラン」と
シスレーの「朝日を浴びるモレ教会」がよかったな。

二つとも、本物を肉眼でみるのは初めて。

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2階展示室の
「小堀四郎と鴎外の娘 ひと筋の道」展もよかったです。

美術館はすでに秋の気配。

公園には落ち葉がちらほら。

もう少ししたら、銀杏が黄金色になるでしょう。

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森の町役場

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あっという間に10月です!

ちょっと暖かさが戻って、私も復活!

とある晴れた日、「府中市郷土の森博物館」に行って来ました。

大正10年に竣工した町役場が可愛かった。

洋風建築だけれど、裏には和風建築が付属しているあたり、
当時の建築の姿がしのばれます。

6月に行った「軽井沢タリアセン」内にある
「明治四十四年館」になんとなく、ムードが似ているかも。
あちらは昔、郵便局。

当時の地方の公共施設ってこんな感じだったんですね。

こうやって今見ると、
昔の町並みは、
絵本の中の町並みみたいに可愛いです。

秋はあちこち行けるといいな。

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名月

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お月見の季節ですね。

急に寒くなって、ちょっと体調を崩していましたが、
なんとか、コントロールして、
お月見にちょっこし行って来ました。

よく行く公園で、お月見の集い。
「江戸東京たてもの園」が
夜もオープンしているというので、
行きたかったんです。

大賑わいの屋台の広場をスルーして、
静かな園内へ。

夜に「江戸東京たてもの園」に入るのは初めてです。

大きな月が昔の都電(7500形)の上に出ていました。

このあたりの町並みは
明治〜昭和初期のもの。

夜見るといっそう、タイムトリップした気分になります。

右下の灯りは「皇居正門石橋飾電灯」。
千華羅が、日本橋から
見ていた月を、ふと、思い出しました。

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武蔵野散策

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やっと涼しくなってきましたね。
昼と朝・晩の気温差についていくのがちょっと大変ですが。

某日、午後から、ちょっとだけ、武蔵野を散策。

ここは、三鷹市にある山本有三記念館。
「路傍の石」の作者が暫く暮らした家です。

お庭もあって静かないいところ。

大正15年頃建築のお屋敷らしいのですが、
設計者は不明。
でも、しっかりした建築なので、
それなりの優れた建築家による設計だと
想像されるそう。

誰が作ったんだろうな・・・。

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芝生越しにお屋敷を・・・。

庭も丁度よい広さ。
夏場はちょっと、蚊が多いですが・・・・。

ディテールのデザインもなかなか素敵。
このお屋敷は凄く好き。

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ことばの贈りもの

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図書館司書の従姉から、
「ことばの贈りもの」という本をプレゼントしてもらいました。

著者は東京こども図書館の理事長の松岡享子さん。
わかりやすい言葉で、語りかけてくれます。

氾濫する言葉の中から、大切な言葉を
拾い上げて永遠の言葉にする手がかりとなる本。

子供に本を好きになってもらいたいな〜と思っている、
特に、小さいお子さんがいるママにお勧め。

子供達と本とのふれあいのエピソードに
考えさせられたり、ほのぼのしたり。

図書館司書である著者は
アメリカの図書館で児童図書館員として初めて仕事をした時、

『私たちは(私たちというのは、図書館員のことです)、
本はよいのもだと信じるグループに属しています。
私達の仕事は、できるだけ多くの人を
このグループに招き入れることです―』(「言葉の贈りもの」より)

と、人事部長から言われたそうです。

           ―うん。凄い仕事だ。素敵な仕事。

私も本は良い物だと信じる側の人間。

いろんな本がありますが、
それは、それとして。

氾濫する言葉のうず高い山の中で、
たとえ、自由気ままにやっているブログであっても、
自分が形にする言葉を少しでも大事にしなきゃな・・・と、
この本を読んで思いました。

言葉の力を信じて。


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