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『Flower~フラワー~』は、別冊マーガレット及び、
デラックスマーガレットで2000年3月号~2006年5月の間に
連載、前後編、あるいは読みきりシリーズで掲載されました。
現在、集英社文庫(コミック版)より全7巻で発売中です。
文庫7巻では「あとがき」を執筆。
文庫をお買い求めいただき、是非、「あとがき」まで読んで下さい!
と、いうのが本音ですが(笑)、
まだ、文庫を買われていない方のために、
「あとがき」を抜粋してご紹介します。
「あとがき」に紹介された、
『FLower~フラワー~』の
主人公の名前を決める投票は、
古いコンテンツの一部を、ブログに移行する際に、
閉じてしまったので、残念ながら、
現在のARCHIVES(アーカイブス)には残っていませんが、
ずっと和田尚子のHPにお付き合い下さっている方なら
ご存じだと思います。
懐かしいです。
当時、投票にご協力いただいた皆様、
本当にありがとうございました。
ARCHIVESの「フラワーの部屋」も
重ねてお楽しみ下さい。
今回、文庫7巻掲載の「あとがき」を抜粋して、
以下に掲載することにしましたが、
ストーリーの分かるもの(ネタバレ)になりますので、
物語の展開を知りたくない方はこの先は読まないで下さい。
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文庫【Flower~フラワー~】のあとがき(抜粋)

今から10年前、「片道切符シリーズ」
連載終了後の2000年1月、
次回作(別マ新連載)『FLower~フラワー~』の
主人公の名前を決める投票を、
当時の和田尚子公式HPで行いました。
「さくら」や「瑠璃」等、「薔薇」以外の
たくさんの花の中から、主人公のイラストを見て
イメージする名前を読者の方に投票してもらい、
名付け親になってもらったのです。
選ばれたのは「葵」。
イラストの主人公の笑顔に
似合う明るい花の名前に決まりました。
中学生編のラストにあるように、主人公の
「"薔薇色"ではないけれど、"葵色"の青春を描く」が
テーマでした。
実は、車椅子の少女が主人公の漫画を、
私が描くのは、『FLower~フラワー~』が
初めてではありません。
今から30年程前、初めて、
別冊マーガレットの公募で賞を頂いた作品も
車椅子の少女が主人公でした。
当時、中学生だった私は入院中で、
闘病生活を送っていました。
だから、病気や障がいは私の中で
身近なテーマだったのです。
残念ながら、賞を取った作品は掲載には至らず、
未発表ですが、そのテーマはデビュー後も
私の中で生き続け、時を経て『FLower~フラワー~』に
繋がることになります。
そして、最初の受賞から半年後、
続いて、デビューに繋がる賞を頂いた作品は、
原宿が舞台でした。
これは、病気も障がいも出てこない作品で、
原宿の街で青春を謳歌する流行最先端の若者達の物語。
投稿時代の私は原宿が大好きな普通の中学生でもありました。
今、ふり返ると、投稿時代から私は、
「好きな街や風景を描く」
「病気や障がいがあたりまえに存在する」
という、このふたつのテーマを描き続けている気がします。
けれど、そのテーマは私の中では、
別々に存在するのではなく、常に、
このふたつのテーマの融合、つまり、
「好きな街や風景の中に、
病気や障がいの有る人があたりまえに存在する」
と言うことを、たとえ表面に現れていなくとも、
どの作品でもいつも感じながら描いているのです。
今から30年前の投稿当時は、
まだ、ユニバーサルデザインという思想は無く、
バリアフリーという言葉さえ聞き慣れず、
障がいを持った主人公を読者に受け入れてもらうのは
難しい時代でした。
『FLower~フラワー~』に至るまでは、時間がかかりました。
チャレンジしては、工夫を重ね、機を見て、
また、チャレンジして描いて、
別マの編集部と共に歩んできました。
『FLower~フラワー~』に至るまでの幾つかの作品をご紹介します。まず

****中略****
『FLower~フラワー~』を描く事ができた一番の理由は、
社会の変化だと思います。
この30年の間に、街のバリアフリーは進み、
ユニバーサルデザインという思想が生まれ、
社会は様々な個性の人々を受け入れるようになり、
デザイン性の高い車椅子が発売され、
ハンディキャップダイビング、車椅子バスケ、
オフロード車椅子等、スポーツの分野でも活躍する
障がいの有る人が増え、障がい者をめぐる環境は、
かなり変わりました。
介助犬と共に、自立を果たす人々にも出会いました。
私は、その変化を30年間肌で感じながら
作品に描いてきました。
『FLower~フラワー~』の中で、
読者の方が、初めて知られた事や、
新しいと思われた事も、
やがては普通の事になると思っています。
押し合いへし合いしながら、理解しあいながら、
未来では今よりもっと、社会と障がいを持つ人々の
融合が進むことを願っています。
『FLower~フラワー~』連載中は、
大学生編の前編を執筆中に、
病気で倒れて入院してしまい、
読者の方にご心配をおかけしました。
高校生編のラストで、
葵と竜太の一時的な別離を描いた事に関して、
「何で別れさせるの!」と読者の方から、
たくさんお怒りの手紙が届いている事を
知ったのは退院した後でした。
高校生編を描いた時、既に、
最終回の「婚約式」の構想はあったのですが、
大学生編の掲載が遅くなり、
心配かけてごめんなさい。
葵の為に本気で読者のみなさんが怒ってくれた事を
今では本当にありがたく思っています。
『FLower~フラワー~』を描く時、
「私は一漫画家として、葵を一人の人間として、
障がいの有り無しにかかわらず描こう」
と心に誓いました。
その通りにできたと思っています。
『FLower~フラワー~』は唯一無二の作品です。
永遠にそうあることを願います。
でも、車椅子の少女が主人公の少女漫画は、
『FLower~フラワー~』が唯一無二であることは願いません。
これからも、たくさん、現れて欲しいと思います。
最後に、取材に協力して下さった皆様、
1巻に解説を書いて下さった木村佳友さん、
それから、車椅子や自転車等、
難しいメカの作画を手伝ってくれたアシスタントのみんな、
特に主力だったナバホちゃん、まきさん、ゆりちゃん、
そして、何より、『FLower~フラワー~』に至るまで
の道を共に歩いて下さった、
別マの編集部と読者の皆様、どうも有り難うございました。
2010年 2月
