Naoko's記者クラブ
原稿執筆用の各種取材のレポートです。和田尚子記者の体当たり編集でお届けします!
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取材レポート by Naoko's記者クラブ
       Vol.01

介助犬レポート

取材日:2002.05.27
取材先:介助犬協会さん
取材協力:介助犬協会さん
木村佳友さん&介助犬シンシア
同行記者:別マM編集者
ナバホ記者

更新履歴
2002.10.09:レポート公開
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ゴミを捨てるハッピー


冷蔵庫を開けて、中の飲み物を
とってくるシンシア 


落としたM0を拾うシンシア




介助犬って何?
盲導犬や聴導犬の仲間で、障害者をサポートしてくれる犬達のこと・・・。そんな介助犬に会って来ました!!


2002年5月27日、念願の介助犬の取材に行って来ました。前日、八王子であった介助犬オリーブの認定式に出席させていただいた翌日、介助犬協会を訪問。介助犬協会は閑静な住宅街にありました。

緊張しながら訪問した私をリラックスさせてくれたのは、介助犬シンシア。オリーブの認定式に出席するため東京に来ていた介助犬使用者の木村さん(シンシアのユーザー)とシンシアが一緒に介助犬のお仕事を説明してくれました。あれやこれやと質問する私。真摯に答えてくれる介助犬協会の皆さんと木村さん。その真ん中で常に笑いの元を提供してくれるワンちゃん達。みんな真剣に介助犬について話しつつも、取材は笑顔の耐えない本当に楽しいものとなりました。

印象的だったのは、もちろん、介助犬のお仕事!!まるで宝もの探しゲームのように、木村さんの指示に答えて、テレビのリモコンを取ってきてくれたり、新聞を取ってきてくれたり、自宅でコンピューター関係のお仕事をなさっている木村さんの為に床に落ちたMOを拾ったり.....。
  
その間、シンシアは尻尾を振りっぱなし(笑)。嫌々お仕事しているわけではないんだなーと実感しました。手にも障害のある木村さんは以前は床の上にMOを落としたら、誰もいない時はそのままずっと奥様の帰りを待たなければならなかったそうですが、今はシンシアが拾ってくれて、仕事もはかどるようになったそうです。

独りでいる時に車椅子から落ちた時、介助犬が電話の子機を持ってきてくれて、助けを呼べ、介助犬が障害を持った方の命を守ってくれた事もあるそうです。




ユーザの生活に合わせて
シミュレーション訓練をする部屋


ボタンを押す基本練習




訓練拝見!

事前に日本で手に入る介助犬の本はほとんど全て読んで行ったのですが、それでも、「どうやったら、あんな賢いワンちゃんになるんだろう」「訓練って厳しいの?」という素朴な疑問は残りました。でも、百聞は一見にしかず、取材をしたら「なるほど、なるほど、なるほど」と思うことばかり。

例えば、シンシアのようなラブラドールレトリバーはもともと港町で漁師さんのお仕事を手伝って、魚網をすり抜けた魚を運んできたり、そういうお仕事をしていた犬だったそうです。なので、拾って物を取ってきて人に渡す介助犬のお仕事は大好き。介助犬にはそのように、人間と働く事の大好きな素質を持った犬の中から、さらに、働く事を楽しめるワンちゃん達が介助犬になる訓練を受けるそうなので、無理矢理、嫌々、介助犬になるというワンちゃんはいないそうです。

ユーザーが生活するような空間を作ってシミュレーション訓練をする部屋を見せていただいたり、ボタンを押したら誉めて,スイッチを押すことを覚えさせる基本訓練を見せていただきました。介助犬協会での訓練方法や、シンシアの披露してくれた訓練方法は「誉めて教える」というもので、訓練風景も遊びを取り入れて楽しそうだったり。犬が飽きたらもう、無理はさせなかったり。でも、公共の施設に出入りするわけですから、しっかり根気強く訓練もされていて、訓練士の方の愛情と熱意を感じました。

叱る時はきっちり叱り、誉めるときは心から誉める。人間の子供の教育に似ているなあ、と思いました。



の〜んびり。訓練中以外の
ハッピーの様子


親子のように仲良しの木村さんとシンシア





ハーネス(ケープ)をはずすと
の〜〜〜んびり!!


街で見かける盲導犬や介助犬のワンちゃん達は、お仕事中なので、ピシッとしてますが、ハーネスをはずすと、の〜〜〜んびりだら〜ん。これが、取材して一番驚いたこと。働くワンちゃんといえば、働いてる姿しか、見たことがなかったので、いつも、あんなにビシッと決めているんだとばかり思っていたのです(街で出会う働くワンちゃんは当然お仕事中だし)。
  
でも、介助犬のワンちゃん達も、ハーネスをはずすと、どこにでもいる甘えっ子のワンちゃんと同じでした。ハーネスをつけるとお仕事モードになるそうです。

木村さんとシンシアはまるで、親子のよう。木村さんをお父さんのように慕って、信頼して、甘えたり、お手伝いしたり。
ただ、働く犬としてでなく、家族として障害をもった人達と共に生きているんだな・・・と、感じました。








オリジナルグッズ

可愛い、可愛い、オリジナルTシャツとワッペン、ポストカードを記念にゲット!。Tシャツは特にお気に入り! 

このようなオリジナルグッズの売り上げも介助犬を支える資金となるそうです。

一家に一枚どうでしょう?介助犬Tシャツ!可愛いよ。



とにかく、楽しい、取材でした。始まりは、介助犬ユーザーに決まった読者からの一通のお手紙。『「Flower〜フラワー〜」で介助犬の事を描いて』というお手紙をいただいてからスタートした介助犬取材。

多くの方たちの努力で、2002年10月1日から「身体障害者補助犬法」が施行され、介助犬は公共施設に出入りできるようになりました。でも、法律で決まっても、街を歩く一人一人が、介助犬の働きを理解して、見守らないと、ワンちゃん達がスムーズに働けなくなる。介助犬が働きやすい社会になるように応援したいと思っています。

別冊マーガレット2003年1月号から、介助犬の登場するFlower〜フラワー〜」本編が掲載される予定です。ぜひ、読んで下さい。

最後になりましたが、取材にご協力下さった、介助犬協会の皆さん、ワンちゃん達、木村さん、シンシア、本当にありがとうございました。




テーブルの上で交わされている取材会見をヨソに、”なぜろ”とばかりにアゴをひざの上にのせてくるシンちゃん。仕事の時以外は普通のカワイイワンコのシンちゃんでした!(ナバホ記者)







介助犬協会のホームページ
介助犬シンシア日記


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